私たちのミッション
大学や高校の コミュニティで「お互いを大切にし大切にされる」という価値観や規範を共有し、 コミュニティのメンバー自身が創り上げる後押しをワークショップを通して行います。

私たちの課題意識
「4.3%」
これは、異性から無理やり性行為をされた経験のある女性のうち警察に行った人の割合です。近年、大学生が加害者・被害者となる性暴力事件が目立っています。この数字から実際はメディアで報道されるよりもさらに多くのの被害が起こっていることが伺えます。
大学は性暴力が起きやすく、外から見えにくい環境です。
入学を機に、対人関係が一気に広がり、自分の自由な時間が増えるといったような環境が激変する中で、飲み会などでの飲酒、サークル・体育会や研究室など上下関係を利用した性的加害が起きやすくなります。さらに、インターン先や就職活動の中で、大学生が性被害に遭ってしまうケースも報告されています。また、教員側が学生に対して持つ絶対的な裁量権(成績、合否判定、論文指導等)や、学者や研究者が持つ社会的権威が、ときに間違った形で行使され教員と学生間での事件に発展するケースもみられます。しかし、教員や学生の中には、「被害にあうのはついて行った方が悪い」という被害者を非難する見方や、被害者自身が自分を責めてしまうことが多く、さらには、そもそも自分が受けた被害が暴力であることに気付けないなど、いわゆる二次被害が多いのもキャンパスにおける性暴力の特徴です。
本来、楽しく安全な成長の場であるはずのはずの学生生活は性暴力により一変します。被害に遭った学生が性的トラウマに苦しめられ学業を続けられなくなる、加害側は健全な人間関係の築き方を知らないまま社会人となりさらに加害を繰り返すなど、大学における性暴力問題は、学生の未来にまで影響する様々なリスクを孕んでいます。多くの大学は、セクハラに関する防止ガイドラインを制定していますが、そもそも職員・教員・学生すべてのコミュニティメンバーが参加する予防教育を積極的に行っている大学は日本ではほぼないと言っていいでしょう。
近年の性暴力問題に対する人々の関心の高まりから、大学関係者が性暴力予防教育取り組む姿勢は進学希望者や家族、また、就職先である一般企業から高く評価されると考えられます。大学生が安心して学べる環境を実現するためには、性暴力の被害者にも加害者にもならないために大学として性被害の予防教育に取り組むことが重要です。
起こってしまった性暴力はもう取り返しがつきません。行動するのは今です。
私たちの提案
コミュニティ・ベースト・アプローチ
コミュニティの参加者が主体的に文化を形成することをコミュニティ・ベースト・アプローチと言います。お互いを大切にし大切にされるコミュニティの 共通の価値観を 対話やワークショップを通してつくることが私たちの提案(Theory of Change/変革の理論)です。
私たちは①一人ひとりが性関係においても他者の意思を尊重することを学ぶセクシャルコンセント(性的同意)ワークショップと、②ハラスメントの予防を個人の責任にするのではなくコミュニティ全体で取り組む第三者介入ワークショップ、の組み合わせによりハラスメントを根本的になくしてくコミュニティ作りを目指します。

ワークショップの種類
ワークショップの種類
トレーニングメニュー
性暴力予防教育の基本的なワークショップは以下の通りです。対象人数と費用は講師の派遣可能人数などによって変わりますのでコンタクトページから問い合わせください。
1. 同意ワークショップ(90〜120分)
- ジェンダー(社会的な性)は私たちにどんな影響を及ぼしているか?
- 同意のない性行為に至ってしまった二人のロールプレイ
- 性暴力とは?同意とは何かについての講義
- 同意のあるシナリオを考えて、再度ロールプレイ
- 同意の定義をグループで考える
- 振り返りとフォローアップアクション(これからの行動宣言)
2. 第三者介入ワークショップ(90〜120分)
- どんなコミュニティを作っていきたいか価値観を共有する。
- 第三者介入とは何か?
- なぜ人はトラブルを傍観してしまうのか?
- 第三者介入の5つの戦略モデル
- 介入するリスクと介入すべき状況
- 実際のシナリオを想定して介入方法をディスカッションや介入のロールプレイング
- 振り返りとフォローアップアクション
3. 同意+第三者介入ワークショップ(3時間以上必要)
ファシリテーター研修
上記の性暴力予防ワークショップに参加された方でファシリテーターになりたい方向けにファシリテーター研修も実施しています。
A-1 同意ワークショップのファシリテーター研修(60-120分)
B-2 第三者介入ワークショップのファシリテーター研修(120分)
※上記ワークショップやコミュニティ内ファシリテーター育成を含むコンサルテーション案件は特別プログラムとなります。
事例紹介 ハーバード・ビジネス・スクール
海外の大学では性暴力予防トレーニングが、経営責任として取り組まれ、また法律でも義務化されています。特にアメリカでは2011年頃に大学生の被害者が声を上げたことから、キャンパスレイプの被害が明るみになり、政府も法律を改正し、大学も性暴力予防教育に力を入れ始めました。ハーバード・ビジネス・スクールでは性暴力予防と対応について専門的に学んだ、性暴力予防担当のスクールカウンセラーを置いています。教員、学生自治会のリーダー、クラス代表、全学生に対するトレーニングがあります。特に、コミュニティ全員が性暴力を無くす取り組みができるコミュニティアプローチは抑止効果が高いと分かっており、第三者介入トレーニングは全学生に対して提供しています。
ハーバードビジネススクールの取り組み詳細はこちら。
メディア掲載
読売新聞 大手小町「性犯罪厳罰化の刑法改正 女性が知っておきたいこと」
コミュニティ作り
私たちのワークショップを受講したコミュニティは、性暴力のない世界をともにつくるコミュニティのパートナーだと考えています。今まで予防教育を実施した大学のご紹介です。
明治大学 2017年10月6日
実施内容:同意ワークショップ
詳細は、こちら。
東京経済大学 2017年10月21日および11月20日
実施内容:同意ワークショップ
大学以外には文京区、札幌市といった自治体、企業からもご依頼いただき予防教育プログラムを提供しています。
また、ちゃぶ台返し女子アクションでは学生自身が主導する取り組みも広めており、大学生メンバーとも活動しています。2018年4月にはセクシャルコンセント(性的同意)について伝えるパンフレットを学生が中心となって作成し、新入生を中心に配布しています。
お問い合わせ先
ワークショップチームは、性暴力を容認しないコミュニティの価値観や規範形成を、同意ワークショップや第三者介入ワークショップ実施を通してコミュニティメンバーが主体的につくりあげるお手伝いをしています。お問い合わせは、コンタクトページからお願いします。